外国人観光客への人気と特別ビザ制度

外国人観光客への人気
2012年に沖縄を訪れた外国人観光客の数は38万2500人となり、初めて30万人を超えた2011年度をさらに上回る結果となりました。東アジア地域の中心に位置する沖縄は、気軽に行ける観光リゾート地として特にアジア地域からの観光客に人気が高く、定期便やチャーター便の航空路線拡充などを背景に、台湾や韓国からの観光客数が高い伸びを示しています。沖縄県ではグローバル観光ブランド” Be. Okinawa”を立ち上げ、2021年までに年間外国人観光客数を200万人まで伸ばすことを目標に様々な施策を導入しています。

中国人観光客向けの数次ビザ
外国人観光客誘致の核の一つとなるのが、中国人観光客向けの数次ビザです。2011年7月から施行されたこの制度は中国人の高所得者が対象で、最初の訪日の旅程に沖縄が含まれていれば、その後、中国に帰国しても、3年以内ならば何度でも新たなビザの申請を行うことなく日本に入国できるというものです。1回の滞在日数も90日までと比較的長めに設定されており、しかも2度目以降の訪日の旅程には、必ずしも沖縄が入っている必要はなく、日本の他の地域を直接訪れることが可能です。この制度により、中国人富裕層観光客の日本観光の入口を沖縄に誘導することができ、観光による産業振興が見込まれます。実際、この制度は中国人観光客からも注目を集めており、制度が導入された2011年7月から同年12月末までの約半年間で約9千件、2012年度は2万件を超える申請件数があったといいます。

右の表からも分かる通り、アジア諸国では富裕層の数が急速に増加しており、2020年までには世界で最も富裕層が多い地域になると見込まれます。その地域から地理的にも近く、観光客の人気が高い沖縄は、アジア富裕層向けビジネスの最前線です。中国人富裕層向けの数次ビザ制度は、この流れを加速させるものであり、今後は沖縄で様々な富裕層ビジネスが展開されていくものと見込まれています。

豪華クルーズ船の就航とアジア富裕層向けビジネス
沖縄の東アジア地域への近接性の利点が活用できるビジネスとして、豪華クルーズ船の乗客をターゲットにした富裕層ビジネスがあります。沖縄総合事務局の発表によると、2012年の那覇港へのクルーズ船寄港回数は過去最高の67回となり、沖縄県全体ではクルーズ船乗降客数は、約13万人にも上ったとのことです。クルーズ船の乗客は富裕層が多く、アジア地域周遊の一環として立ち寄った沖縄で活発な消費活動を行います。

現在、沖縄では、富裕層向け高級リゾートホテルの開業が相次いでいます。2012年にはザ・リッツ・カールトン・ホテルが名護市に、ヒルトンホテルが那覇市に、星野リゾートが竹富島に高級ホテルを開業しました。また地元企業のJCCは、南城市に地元色を活かした高級宿泊施設「百名伽藍(がらん)」を正式開業しています。このような富裕層向けのビジネスは、クルーズ船の就航、那覇空港とアジア各都市を結ぶ直航便の増加などを背景に、今後も大きな成長が期待されています。