経営に有利な人件費と物価水準

日本における沖縄の人件費と物価水準

沖縄は日本の他の地域と比べ物価が安く、またその分、人件費が安いということは良く知られています。実際、都道府県別の物価指数をみても沖縄県の物価は全国で最低水準にありますし、1人当たりの県民所得をみても他を大きく引き離し最下位となっています。

これらの事実は、経営を考える上においては、大きなメリットです。日本の他の地域に比べて低い賃金で労働力を確保することができる上、沖縄で生活するのであれば、物価水準も低いので、雇い入れたスタッフから賃金に関する不満が出ることも少ないでしょう。

ただし、沖縄の物価も着実に上昇しているということには注意が必要です。2012年度に発表された都道府県別の最低賃金は、前年から8円引き上げられ653円となり、沖縄は初めて全国最下位を脱出し、九州各県とほぼ同水準になりました。

また那覇市に限って言えば、物価水準は決して低くはありません。県庁所在地別の平均消費者物価地域差指数によると、那覇市の水準は全国平均を上回っています。特に県外から持ち込まれる食品や消費財、ガソリン等は輸送コストも価格に転嫁されるので、場合によっては日本の他の地域にくらべて割高なこともあります。

沖縄の事業所について賃金設計を行う際には、業界別の市場水準調査に加えて、事業所の場所、公共交通機関の利用の可否等も含めて、総合的に判断する必要があるでしょう。

都道府県別 物価地域差指数
(平成14年、平成19年)
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総務省統計局 全国物価地域差指数より

都道府県別 1人当たり県民所得
(平成20年、平成21年)
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アジア地域における沖縄の人件費と物価水準

アジア地域に目をむけると日本と状況は大きく異なります。沖縄の人件費は、アジアの主要都市に比べても非常に高く、日本の各都市とともにアジア最高水準にあります。近年の中国、韓国、台湾などの賃金上昇により、その差は縮小する傾向にありますが、日本との格差は依然として大きく存在します。ただしオフィス賃料月額や牛乳1リットルの値段で表した生活費等の項目においては、沖縄は他のアジア地域と比べても比較的割安であり、十分に競争できる水準にあります。

単純に賃金だけを比べると沖縄への事業進出コストは高いように見えます。しかし言語障壁の有無、治安、思想・文化・商習慣の違い、物価水準、市場の成長性、さらには税制上の優遇措置や各種助成金の有無等を総合的に勘案した場合、沖縄は他のアジア主要各都市に比べても魅力的なマーケットだと言うことができるでしょう。

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参考:日本経済新聞 2013年2月5日 Asia Business Map 「消えるフロンティア」
日本貿易機構(JETRO)公式HP 投資コスト比較
インターネット調査機関 Numbeo HP